デントリペアという言葉をご存じでしょうか?正式には『ペイントレスデントリペア』と言います。ペイントレス デントリペアは車の金属部分を特殊な専用工具を使って、修練した技術でヘコミを押し出して修復する画期的な技術です、パテや再塗装を行いませんので色が変わってしまったり、修復歴がついてしまう事もありません、傷のない小さなヘコミの修復には最も適していると言えます。
デントリペア専用ツール(ジェイテクニックで使用している一部です)
ただし、デントリペアは残念ながら決して万能の技術ではありません、板金塗装の修理のようにパネルを交換したり、パテを塗って再塗装をしたりするわけではなく、あくまで塗装の状態を維持しながらヘコミを修復(復元)する技術です、復元にはどうしても限界があります、5センチを超えるようなヘコミだったり、 極端に深く鋭いヘコミなどの場合は修復しても損傷を受けた鋼板が局部的に伸びてしまい歪みが残ってしまう事があります、また、ヘコミを裏側から押し戻していくというシンプルな技術なのでヘコミの裏側にツールが届かない位置だったりすると修復ができないケースもあります、デントリペアをうまく活用するにはその技術上の特性をきちんと理解する事が最も重要かもしれません。 デントリペアのメリット・デメリットを簡単にまとめてみました、ご参考になれば幸いです。
デントリペアのメリット・デメリット
メリット
- 再塗装をしないので塗装色が違ってしまったり塗膜の肌が変わる事がない
- 修復歴(事故車扱い)がつかない・熟練した技術でシンプルにヘコミを押し戻すでけなのでパテや塗装を乾燥させる必要がなく短時間で修復できる(平均修復時間1~2時間)
- 板金塗装修理と比べると料金が安い《料金》
- 出張修理が可能な為、車を預けずに自宅で修理ができてしまう
- 溶剤や塗料を使用しないので環境にも優しい
- 即日修理も可能
デメリット
- 極端に深いヘコミや大きいヘコミの場合、綺麗に修復できないケースがある
- ツールが入らない場所は修復ができない(表側から引っ張って直すプーリングという技術もありますが全てのヘコミには対応できません)下記イラストをご覧ください
- 塗装についた傷は直すことができない
- バンパーやミラーなど樹脂製やプラスティックのパネルや部品は直せない
- ヘコミの形状や位置によっては完全に修復できず歪みが残ってしまう場合がある
デントリペアでの修復が難しいパネルと位置
①Aピラー:殆どのクルマがツールのアクセスが困難です
②ルーフサイド:殆どのクルマがツールアクセスが困難です
③Cピラー:殆どのクルマがツールアクセスが困難です
④バンパー(前後):材質が金属ではなく樹脂製なので修復は不可です
⑤サイドシル:殆どのクルマがツールアクセス困難です
⑥リアタイヤ前方の下部:殆どのクルマがツールアクセス困難です(特に4ドア車)
車種によっても違いはありますが、上記①~⑥以外にも黄色の↓で示してあるような各パネルの端(フチから約5センチ以内)も内部にフレームや補強板がある事が多く、基本的にはツールアクセスが困難なケースが多いです、ただし、②ルーフサイドや③Cピラーなどは小さく浅いヘコミの場合はプーリング(表側から引っ張って直す技法)で修復可能な事もあります。
修復の可否や仕上がりについては車種やヘコミの位置・形状によっても大きく変わります、詳細につきましてはお問い合わせをお願い致します。